カズヤさんのことを初めて知ったのは、
僕が中学1年の時。
とても暑い夏の日のことだった。
カズヤさんも、僕の存在を長い間知らずにいた。
そんな二人が一緒に暮らすことになった。
『でも僕は、貴方のことを、これからも父親だとは思えないかもしれないよ。』
口から出ていく言葉は、本心かもしれなくて、そうじゃないかもしれなかった。
『それでもいいよ。』と、カズヤさんは言った。
―― 時々おじさんの話に付き合ってもらえると嬉しいんだけど…。
―― 別に、構わないけど。
カズヤさんは嬉しそうに僕をギュッと抱きしめた。
―― だから今、
僕はここにいる。――
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