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2015年11月28日土曜日
R18BL短編『うそつき』(14)
はじめて読む方は、こちらから。
(14)
小学生以来かな。
そんなどうでも良い事を考えながら、仄暗いホテルの部屋で独り、俺はひたすら泣き続けた。
頭が痛くなるくらい泣いて、俺は漸くバスルームへ向かった。
頭から熱いシャワーを浴びていると、後ろに違和感を感じる。
「……っ、」
生暖かいそれは、後孔から内腿を伝い落ちていく。
中に出されたあの瞬間、アイツの言った言葉を思い出して、また頭に血が昇る。
――『別にいいでしょ? 男は、妊娠しないから。』
「くっ、最低だ!」
バスルームの壁を拳で思い切り叩いてみたって、自分が痛いだけでどうしようもないのに。
馬鹿だ、俺。
こんな事になったのは、自分にだって隙があったからだ。
――『そんなに欲しい?』
きっと、物欲しそうにしているように見えたんだ。誘われて、結局此処まで従いてきてしまったのは自分なんだから。
ホント、馬鹿だ…俺。
―― 帰ろう……。
泊まっていけばいいなんて言われたけど、こんな所で朝までゆっくり過ごす気になんてなれない。
シャワールームから出て、自分の服がどこにあるのかと、部屋を見渡すと、下着と靴下は、綺麗にソファーの上に置かれていて。
「あれ…… 他の服は……?」
クローゼットを開けてみると、コートと中に着ていたシャツや、ジーンズなどが綺麗にハンガーに掛けられていた。
何これ……、無理やりホテルの部屋に連れ込んだにしては、丁寧過ぎるだろ。
――『…吐いたりして服を汚してもいけないしね。』
ああ言ったのは、あながち嘘でもなかったんだろうか。そんな事が頭を過るけど、すぐに首を振った。
―― そんな訳ないだろ。
良い様に考えたって、アイツがしたことは変わらないんだから。
続きます。。
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